取締役会長

山口  新一 さま

取締役社長

山口  篤 さま

経理ご担当 会長奥さま

〇symphonyとのつながり

山口 新一 会長)
「職人(個人事業主)から法人化をするときですね。共通の知人からの紹介で新井先生とお話をしました。会社を興すにあたって、当時の自宅にて相談をさせていただきました。職人ですから、経営に関して知識はありませんでした。といっても今でも十分とは言えませんけどね」と冗談を挟み笑顔の山口新一会長。

「有限会社にしたのが昭和56年。41年前でしょうか。こちらに構えてこの(2019年)8月で32年目ですね」と語る。

〇事業について

山口会長)
「空調設備はすそ野が広いです。機械そのもの、電気回り、ダクトと付随していきます。まさしくゼロから事業をはじめましたから、本当にいろいろとやってきました。テナントビル、工場、そして店舗。現場はさまざま。青森県や神戸市など地方漁港へ業務用冷蔵庫の設置に赴いたこともあります。冷蔵庫はマイナス50度の世界なんですよ」と嬉しそうに語る。「新井先生からは50代に入られたら、現場もよいですが経営に専念してくださいねとアドバイスをいただきました」と振り返る。

奥様)
山口会長の隣にて、経理を担当されている奥様は「5~6年前、主人が60歳半ばになり事業承継の準備をはじめました」と語る。「新井先生とは長いお付き合いをいただいていて、主人とも波長が合っていると思います。事業を無為に大きくするのではなく、こつこつ地道に。道を照らしていただきましたね」と微笑む。

〇山口機工さまの強み

山口 篤 社長)
「マルチに対応できるのが当社の強み」と語る山口篤社長。「たとえば依頼主が大規模の施工会社に発注をしたとします。こうすると職種ごとに担当が付くので窓口が増えてしまうのが一般的。一方、当社はまとめて一括で業務を受け持たせていただきます。依頼主にとっては話が早いですよね」と語る。「もちろんそのために当社のスタッフは空調の資格を積極的にとるようにします。”山口さんのところが(現場に)来れば大丈夫”、とそんな風にお客さまから現場でも言ってもらえることがモチベーションにつながります」と言葉が弾む。

〇symphonyとのお取引の中で

奥さま)
「創業当初から分からないことはとにかく、symphonyさんに質問をさせていただきました。たとえば伝票ひとつをとっても、担当の松本さん含め事務員の方にもお世話になりました」と奥様。「そして一年を納めるころ、symphonyのみなさまと検討会(反省会)。最初は主人と二人の会議参加でしたが、いまは息子(社長)と三人で。お食事の時間を含めてあっという間の一年」と手元を見つめる。

山口社長)
「松本先生には会社の経営のことはなんでも相談させていただいています。たとえば、現場の許可証の登録。進んで対応してくださるのでとても助かっています。個人的にお話をしても、とても楽しい時間をいただき、すばらしいです」と山口社長。「そして経営に関する次のことについても、いつも配慮をいただいています。次のことって考えるのは難しいですよね。さらに2の次、3の次と、私が理解するまで教えてくださいます」。「そして事業承継を済ませ、会長とは異なるわたしの考え方にも寄り添ってくださって、安心です」。

「小学校、中学校、高校と傍から自営のこととsymphonyさんとの話を見聞きし、そのころは税理士の先生というとらえ方でした。ところが、こうしてご一緒させていただくと、実際は違いますね。経営コンサルタントと言ってもよいと思います。そうですね~ 当社のスタンスとなぞらえますと “会計士でマルチ” に対応してくれる会社でしょうか」と笑う山口社長。

「会社の売り上げ、経営方針、家族構成など経営者に寄り添って相談にのっていただけます。もちろん経営に困らぬよう税金準備などの資金面の対策も助かります。本当にいろんな相談にのっていただけ、”いや、そういうのはうちでは…”と言われたことはありませんね」。

〇事業承継の段取りと見えてきた課題

山口社長)
「事業承継においては、事の段取りすべてを導いていただけました。たとえば、承継公表のタイミングについては、社員への発表、お客様先はどこまで伺うか。そして取引先はどうか。物事の進め方を伝えてくださる。このような会計事務所ってそうそうないのではと思います」。「また、親子同士ですとどうしてもお互いに想いがありますから… symphonyさんに入っていただいて助かりました」と山口社長。

「わたしたち経営者は現場のクオリティを上げていくことに集中したい。たとえば、社員の安全性をどう確保するか。材料は予算内でいかに満足いただけるようにするかなどです。そうなりますと、請求書や領収書などの、現場とはまた違った細やかな配慮が必要な業務にはなかなか頭が使えないのですね。ですので、symphonyさんに数値面からのサポートをいただけていることももちろんですが、事務的にもたいへん助かっています」。

〇経営へのこだわり

山口社長)
「提案をする幅を広げていきたい。現場ではご担当の一種好みの部分を把握しておくのも大切です。たとえば素材の寸法に関するものだったり、素材そのものであったり。はたまた色合いなども含まれます。一方で、経営者として重要な経営の要素は安全の確保。当社のスタッフの不安や不満はまずわたしたち経営者で受け止めます。その後、どのような対応をしてくのかをつめていく。世の中全般の流れですが、昔は大丈夫だったようなことがいまでは認められなくもなっている。幅を広げることと、安心を確保することは私のこだわりですね。また、当社が現場の受け入れ幅が広いのは創業である父が開拓してくれたものです」と会長を見つめる。「当社はいわばエンジニア集団ともいえるかもしれません。会長のことも4年に一回は褒めないとね」と温かく場を和ませる山口社長。

〇経営における基盤とこれから

山口会長)
「創業時は、私は重量鳶としての職人スタートでした。そののち冷凍機搬入に携わらせていただきクレーン免許をとるなどもしました。そして空調の世界へ。すそ野が広くやりがいのある分野です。先ほど社長からもありましたがエンジニア、なんですよね」と山口会長。

山口社長)
「どの現場でもそうかもしれませんが情報共有は大切です。たとえばそれは道具の情報交換であってもです。会長は道具を大切に扱うことを心がけています。そこは見習っています。そして、会長は道具好きですね。現場の仲間に新しい道具を見せるのが楽しいみたいですよ」と笑う山口社長。

奥さま)
「パソコン操作を覚えたのも60代でしたね」と奥様。「社員に道具を支給したり、作業着のクリーニングで身なりを整えてあげたりとよりよい職場を目指してきました」と振り返る。「事業承継をしてから3年目です。傍から見ていると会長もまだ少し現場に出たいのかなという気持ちを感じます。一方で、穏やかな暮らしもありがたいこの時間を過ごせています。symphonyさんとの関係のおかげですね」。

山口会長)
「自分ごとながら、よくやってこれたなと思いますね」と山口会長。「こうして周りを見て思うことは、お客さんも含めて人に恵まれていたと思います。私たちの仕事はとにかく人がいないとできないこと」。「どんなご縁であっても、ご縁はご縁。つらいことがあっても、その次にはまた縁がある。とにかく知り合いを増やしてきた足取りでしたね。職人仲間にも助けてもらってきました。いまでも年に一回、二回と旅行をするのが楽しみです」と振り返った。

「会長は、人から出来ないだろうと言われる仕事をやり遂げるのが好きですね」と山口社長。となりで組んだ指先を見つめながら照れくさそうに微笑む山口会長。「東京オリンピック、もう間近ですね」と、山口機工の歩みを感じるひと言を奥さまが窓を眺めながら語ってくださった。