ナルホド。まわりの理解を得る事業承継 3つの戦略ステップ
経営は、お客さま、社員、世の中とさまざまな方々の理解でなりたつもの。時間を重ね、いざ事業承継となったとき、経営者は各方面よりどのような理解を得ればよいのでしょうか。
まずはこの3つをつかむ! と、”その前に大切なこと” を。
事業承継の準備として、一般的には株価の引き下げ・株式移動・組織再編などに目が向きがちです。
しかし、その前に大切なことを。経営者にとっては 会社を託せる承継者を育てること が事業承継最大の使命。経営者が大切にしている価値観や理念を承継すること。これが継続企業となるうえでの最大のテーマとなります。
そして、押さえるこの3点
Step1 現状把握
事業承継を行うにあたり、手はじめに行うことは現状把握です。会社の状況や競争力以外にも大切なこと…
それは、経営者の現状、そして後継者の意欲や資質の把握です。
現状把握ができると課題と対策が明確になり、特に後継者の能力および価値観の向上などの具体的なテーマが絞られます。
☆ 現状把握のチェックポイント
会社 |
経営者 |
承継者 |
---|---|---|
□ 業界での競争力 □ 付加価値商品の有無 □ 今後の事業展開 □ 資産、負債の状況 □ 株主構成 |
□ 保有自社株式 □ 株式 □ その他資産価値 □ 個人借入金、保証 □ 相続税額 |
□ 経営意欲 □ 経営力の資質 □ 価値観の共有 □ 勉強意欲 |
Step2 全体課題の検討
現状把握をもとに全体課題のたな卸しの時間をとってください。次いでそれらをアクションプランへと落とし込んでいきます。
ポイントは単年度経営計画書や事業承継計画書に織り込んでいくこと。さらに毎年、課題は完結できたかどうかのレヴューを行うことも大切。
☆ 個別課題のチェックポイント
承継者との意思疎通 |
承継項目の洗い出し |
関係者の理解と環境整備 |
---|---|---|
□ 理念の引継ぎ □ 経営方針の共有 □ 経営計画書の作成 □ 会社組織の再編 |
□ 経営者の仕事調べ □ 承継業務の選別 □ 優先順位の選別 □ 事業承継計画書の作成 |
□ 社員との意思疎通 □ 金融機関 □ 取引先 □ お披露目式典など |
Step3 全体から部分へ:個別課題の検討と承継後の安心計画
全体課題とともに “会社” と “経営者” の個別課題に取り組みます。ご自身が勇退(退職)時期を描けるようになったならば、覚悟がついてきます。
そして、いよいよ事業承継に向かって行動が始まっていくのです。
Step1.2.3. の戦略的事業承継対策を講じたうえで、期限を決めて行動を起こします。また、半年又は1年に一度レヴューを行いましょう。PDCAのサイクルを回せるようになります。
よくいただく質問「適正な承継者がいない場合」
子供、親族、社員などで承継者がいない場合には、M&Aによる会社の売却も視野に入れます。
これまで積み上げてきた得意先からの信頼や社員の生活を守るためには、株式譲渡を行うことも事業承継の手法の一つ。
symphony では、M&Aによる買い取り先の選定や、デュデリジェンスによる株式の適正価格を算定するご支援も行っています。
いかがでしたか。あなたにとってなにがしかのヒントになればうれしいです。
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